ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「光輝、お前の母親は死んだ。それは本当だよ。アレは嘘じゃない」
翔太さんは淡々とそう言った。
「……墓は、あったんですか」
「ああ、あったよ」
翔太さんはポケットから携帯を取り出して、それを俺に突き付けた。
画面の中央には、黒い墓のようなものが映っていた。
「咲掛美桜(サキガケミオウ)之墓……」
俺は墓に描かれていた文字を読んだ。
美桜……。
俺は、母親の顔も名前も覚えていない。
それでも、その名前が女の名前であることだけはわかった。
そして、あのクソ親父は根性はねじ曲がっているが、嘘を言わない男だ……。
「そうか、死んだんだ……」
俺は事実を確かめるかのように呟いた。