ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「……なぁ光輝、お前素直になれなかっただろ?」
空我先生は俺の顎をクイッと触り、そう言った。
「なんでわか……っ「俺も素直になれなかったからな。忠告ひとつで素直になれたら苦労しないんだ。助けてって、言いたくても言えなかった。………怖かった。闇に引きずり込まれて、もがいてももがいても逃げ出せないような気がしてた」
顎から手を離すと、空我先生は顔を俯かせて静かに言った。
「……でも、俺は助けてって言えなかったのにも関わらず、助けられた。救われた。
光輝、お前が考えるよりずっと、世界は広くて温かいよ。それは、拾われたお前が一番よく知ってるんじゃないか?」
呆れ顔で、空我先生は言う。
「それは……っ」
言葉に、ならなかった。
「……どんなに後悔したって手遅れな時もあるんだよ。俺は、素直になれなかったせいで親友を一人失くしたんだ」