ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
苦々しい顔をして、空我先生は言った。
俺は思い当たる節があり、それを確認する。
「親友って、もしかして虹蘭初代副総長の……」
幹部が2代目に引き継がれる前に、初代副総長は息を引き取った。噂で聞いたからデマだと思っていたが、まさか本当だったとは……。
「なんだ知ってんのか。そー、……それが俺の親友。俺は、そいつに生かされてる。幸せになるまで死んだら許さねぇって、そう言われた。……そいつがいなかったら、俺は死んでたよ」
自嘲気味に、空我先生は言う。
「……今は、死にたいと思ってないんですか?」
「そうだな。……まぁ、虐待のことが夢に出てきた時は死にたくなるけど、すぐにあの約束を思い出すんだ。
……過去っていうのは、ずっと頭にこびりついて忘れられないもんだ。
でもな、……それがあったって、幸せだって心の底から言えるようになる。
俺は今、愛する妻と子供がいて、同僚に親友がいて、お前みたいな患者を励ますことが出来て、心底幸せだって胸張って言えるよ」