ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
空我先生は、俺に屈託もなく笑いかけた。
「……俺にも、そう思える日が来るんですか?」
気がついたら、俺はそう言っていた。
「あぁ、来るよ。俺が保障してやる。
なぁ光輝、ひとつ賭けをしないか?」
意地悪そうに、空我先生は笑う。
「賭け……?」
「そうだ。今から自分にも他人にも嘘なんてつくな。もっと人を頼れ。
それでもしお前が20歳になるまでに捨てられたら、その時はお前の勝ちだ。
自殺でも何でもすればいい。
捨てられなかったらお前の負けだ。そうなったら、一生自分にも他人にも嘘なんてつくな。人を頼り続けろ」
「先生……」
俺には、ただ縋るように空我先生を見つめることしか出来なかった。
「……大丈夫だよ、光輝」
その言葉だけで、もうダメだった。
涙が滝のように溢れだしてきて、
俺は声を押し殺して泣いた。
「うっ、あっ……っあ、……っ」
止めようと思っても、嗚咽は止められなかった。
そうやって俺は、
その日から空我先生と賭けを始めた。