ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「あいつはもう学校には行けないし、
沢山のものを一度に失っちまった。
友達だって、あいつは慕われやすいから、
沢山いただろうしな」
俺は、10年前、兄さんとその友達と俺の3人で追いかけっこしたのを思い出した。
今となっては、俺はその兄さんの友達の顔も名前も思い出せない。
きっと、兄さんも眠る前の記憶は殆ど忘れてしまっているのだろう。
俺としたあの潰えた約束も……。
「……辛かったんだろうな。一時期な、夜中暁斗の病室から毎日のように泣き声が聞こえてきたことがあったんだ。そう簡単に現実は受け入れらんねぇよ。
リハビリするかどうかは、俺は暁斗の好きにしてもらおうと思ったんだ。
……嫌ならやらなくていいって、そう言った。転んで、できないの実感して辛くなってやる気を失くしたら元も子もないだろう?
でもな、あいつは俺が考えるよりずっと強かった。
ある日、あいつはベッドの上で土下座してまで俺にお願いしてきたんだよ。“リハビリをさせて下さい”ってな。
あの時は、すごい衝撃を受けた」