ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
奇跡なんて起きない。
そういつも思っていた。
俺は人殺しで、
生きる意味なんかこれっぽっちもないと思っていた。
そんなことないんだって、そう言われた気がしたんだ。
「ほら、暁斗。退院おめでとう!!
今日は快晴!絶好の退院日和だっ!!!」
空にぃは、いつの間に持ってきたのか、
床に倒れた兄さんに、花束を差し出してきた。
空にぃの隣には、同じくらいの背丈の医者がいた。
紫色の髪をしたその人からは、花の香りがして、俺はすぐに、その人が花束を持ってきたんだとわかった。