ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
約束……か。
「兄さんは、……覚えてないかもしれない」
「覚えてるよ。俺は、もう母さんの顔も父さんの顔も思い出せない。いつ一緒に遊んだのかとか、そういうのもな。
でもな、……それでも、妖斗としたことは忘れたことなんて一度もないよ」
俺は妖斗の言葉を渡って、強めに言い返した。
俺は、光輝の隣で言葉を失って、泣きそうになっている妖斗のすぐ目の前まで歩いた。
そして、俺より背が高くなった妖斗の頭を、背伸びして撫でた。
「……約束したよな。2人で黑蜜蝶の総長と副総長になろうって。
まさか、……こんな形で約束が叶うとはな。
……あの約束は、もう絶対に叶わないと思ってたのに」
気がつけば、一筋の涙が頬を伝っていた。
「兄さん……」
「妖斗っ、ありがとな。……っ、お前は、最高の弟だよ……っ!」
目の前にいる妖斗から目を逸らして、止まらない涙を見られないようにした。