ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
その日の夜、俺は自室のベランダで、兄さんと2人星空を眺めていた。
「……母さんと父さんは天国に行ったのかな」
俺は、隣いた兄さんに言った。
「……そうだな。今頃、あの空から見守ってるんじゃないか?」
星空が輝く青空に目線を移して、兄さんは笑った。
腰まで伸びた兄さんの漆黒の髪が、風で揺れた。
「……母さん、今の兄さんと同じくらい髪長かった気がする」
「そう……か」
俺の言葉を聞いて、兄さんは辛そうに顔を伏せた。
「ごめん……」
俺は、慌てて謝った。
そうだ。
兄さんは何も……覚えてない。
兄さんは、俺の頭を撫でた。
「……妖斗、昔話を沢山してくれよ。母さんや父さんがどんな人だったか、お前が俺に教えるんだ。
光輝達とどうやって仲良くなったのかとか、そういうことも沢山たくさん俺に教えてくれ。
その話を聞くたびに、俺は笑って
妖斗を生かして良かったなって実感できるから」
兄さんは、嬉しそうに笑った。