ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
朔の過去は、予想以上に暗くて辛いものだった。
………酷すぎだろそれ。
「今、借金の値段は?」
「……30万くらい」
俺の質問に、朔はそう静かに答えた。
「……時々、想像するんだよ。母親が黒服みたいに自殺して、俺が金払うことになったらどうしようって……。そしたら、学校なんていってるどころじゃねぇ」
朔はそう言い、自嘲気味に笑った。
「朔、………白龍に入れよ。寂しいなら、俺達がその寂しさ埋めてやるから」
「それ、翼咲にも言われたよ。
……でもさ、それでもし母親が死んで、借金取りが白龍のアジトに来たらどうすんの?」
朔は作り笑いをしてそう言った。
「……いいんだよ。
俺、ここ来るまで小中地獄しか味わってねぇからさ、今翼咲やお前といれて悪くないなって思えてる。
別に俺はそれだけでいい」
「アホか!そんなん俺が良くねぇよ!!」
俺は朔の両肩を掴み、思いっきり左右に振った。