ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「……人のことを信頼も出来ない奴を、お前は仲間だって認めんのかよ」
朔は冷徹な物言いで言った。
「朔、……俺は信頼って、しようって思いさえすれば、いつか出来るものだと今は思ってんだ。
俺は、朔乃ならそれができると思う」
「うわっ」
俺は朔乃の手首をつかみ、顔から離れさせた。
そして、そのまま腕を引っ張り、朔の顔を自分の胸に押し付けた。
「………朔乃、頼むから教えてくれ。お前はどうしたいんだよ」
「………出来ることなら、キャバクラにいる母親に会いたい。あんなんでも俺の親だから。働いてる店の名前すら知らないけど。
…………もっと友達が欲しい。
笑ってんの疲れた。
たまには泣きたい。
……いつも家に帰ると、寂しくて、寒い。
あったかいところに行きたい。
誰かに……抱きしめられたい。
白龍に……入りたいっ!!」
最後の言葉は、もはや悲鳴に近かった。
俺は一切の迷いもなく朔乃を抱きしめた。
「あぁ、入っていいよ。……一緒に帰ろう、翼にぃ達のいるあの家に」
俺の言葉に、朔は何も言わずに首だけを動かして精一杯頷いた。