ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
話を聞き終わってから、未だうなされている愛しい弟の様子をよく見ると、不自然に細い肉付きのない身体をしているのが分かった。
俺は腕をそっと伸ばし、
妖斗に掛けられた布団をとって、腕を見た。
手首には、何かで縛られたかのような赤黒いアザがあった。
それは余りに痛々しくて、自分のしてきたことに嫌気がさし、俺は目を瞑って、現実から目を背けたくなった。
それでも、俺は愛する弟の痛々しい姿を目に焼き付けた。
次に足を見た俺は、思わず目を見開いた。
「……何だ、これ……?」
左足の中央に、大きな縫跡があった。
「……っあ……っ、う、あ……っ」
なぞるように俺が跡に触れると、
妖斗は、小声で、痛そうに喘いだ
俺は、慌てて手を離した。
左足にあった縫跡は足首まで伸びていて、両足首には、手首と同じように何かに縛られたかのような赤黒いアザがあった。
布団を戻し、俺は、妖斗の手を握った。
………そっか。
きっと、すごい痛かったのだろう。
それしか生きる術がなかったのか……。
学校にも通えずに、こんなことをして
俺に会えるかもしれないってことだけを
信じて、生きてきたんだな……。
ありがとうな、妖斗。
瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。