ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「どうして、こんなことを……」
「貴方はキャストである前にこいつの親でしょう。……仕事してる暇があったら、こいつの世話をしてやってくださいよ」
朔の母親の瞳から、一筋の涙が流れた。
「そう……ね。ありがとう。いつか、必ずお返しするわ。
朔乃、帰りましょう」
店を出て、朔乃は私服姿に着替えた母親と帰ることとなった。
「……光輝さん。翼咲、妖斗!!」
「「「ん?」」」」
「本当に、ありがとう……っ!」
「……ありがとう、皆さん」
朔乃は口元を綻ばせ、目に嬉し涙をいっぱい浮かべて、笑っていた。
フリなんかじゃなくて、ちゃんと素で笑ってた。
「このバカ朔ーっ!」
そんな朔の顔を見て、翼にぃが悪態をついて
泣いていたのに、俺と光にぃは気付かないふりをした。