ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「翼咲……」
翼咲の母親は、目に涙を浮かべていた。
「気安く呼ぶんじゃねぇよ、クソ野郎」
なんで、こんなにキレてんだ。
「翼咲、お前母親のこと信じようとしたんじゃ……」
俺の言葉を渡って、翼咲は叫んだ。
「わりぃ。…………俺はお前ほど善人になれねぇわ。
捨てたと思ったらのこのこ現れて、今更愛してるとか言われて、はいそうですかって誰が納得すんだ!ああ?」
そこに居たのは、俺の知ってる手のかかる弟なんかではなかった。
人を信じるのを忘れた哀れな子供だった。