ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~





大事なものなんじゃないのか。



そう易々と破いていいものじゃないんだろう?






「……ハハっ、どっちの味方だよ光輝」




俺を見て、翼咲は怪しく微笑む。




ダイニングにいたみんなは、無言で俺達のいる方へ視線を向けていた。






「……今言ってること全部、お前の本心か?」





「そりゃそうだろ。こんなクソッタレを親だと思ったことなんて、捨てられたあの日以来一度もねぇよ…….」




過去のことを思い出してるのか、
泣きそうな顔をして、翼咲は言う。







「……ごめんなさい、翼咲。
私は好きで貴方を捨てたんじゃない。
それしかあなたを生かす方法がなかったの……」





翼咲の腕をつかみ、母親は泣きながら言った。





「………は?




なんだそれ。



意味わかんねぇし、仮にそれ本当だとしても謝ってくんの遅せぇんだよ!!




もうあんたに捨てられてから四年は経ってんだよ!!ふざけんな!!!」







母親の腕を、翼咲は勢いよく振りほどいた。






「翼咲……」



なんて声をかければいいのかわからなくて、
俺には名前を呼ぶことしか出来ない。



「……光輝、世話になったな。





ありがとよ、四年間」






その言葉の意味を、理解したくなかった。















< 97 / 213 >

この作品をシェア

pagetop