ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
大事なものなんじゃないのか。
そう易々と破いていいものじゃないんだろう?
「……ハハっ、どっちの味方だよ光輝」
俺を見て、翼咲は怪しく微笑む。
ダイニングにいたみんなは、無言で俺達のいる方へ視線を向けていた。
「……今言ってること全部、お前の本心か?」
「そりゃそうだろ。こんなクソッタレを親だと思ったことなんて、捨てられたあの日以来一度もねぇよ…….」
過去のことを思い出してるのか、
泣きそうな顔をして、翼咲は言う。
「……ごめんなさい、翼咲。
私は好きで貴方を捨てたんじゃない。
それしかあなたを生かす方法がなかったの……」
翼咲の腕をつかみ、母親は泣きながら言った。
「………は?
なんだそれ。
意味わかんねぇし、仮にそれ本当だとしても謝ってくんの遅せぇんだよ!!
もうあんたに捨てられてから四年は経ってんだよ!!ふざけんな!!!」
母親の腕を、翼咲は勢いよく振りほどいた。
「翼咲……」
なんて声をかければいいのかわからなくて、
俺には名前を呼ぶことしか出来ない。
「……光輝、世話になったな。
ありがとよ、四年間」
その言葉の意味を、理解したくなかった。