もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
プロローグ



『好きだよ…藍』


「あたしも…好き」



あたしだって真剣に、恋をしてたよ。


でも、初めての恋は無惨にも遊ばれていた。


三つ年上だった彼は、大学に進学するにつれて遠距離になった途端、急に連絡が付かなくなった。

やっとの思いで電話が繋がったら、

『いい加減、遊ばれてたって気付けよ。
毎日、鬱陶しいんだよ!!』


って、怒鳴り口調で言われた。

今までの優しい彼はもうなかった…


親の愛情を知らず育ったあたしに、唯一優しく接してくれて、相手を大事に思う気持ちを教えてくれた。


なんでも話せて、いつも優しい笑顔で。

どんなときも優しくあたしを包み込んでくれた。


あれが全て、嘘だった…──




あたしの初恋は無惨にも粉々に散っていった。


だから、本気で恋なんて二度とするものかと心に固く決めていた。


男遊びに手を付け初めたのは、初恋の彼の気持ちが知りたかった…というバカな考えからだった…。






< 1 / 276 >

この作品をシェア

pagetop