もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
プロローグ
『好きだよ…藍』
「あたしも…好き」
あたしだって真剣に、恋をしてたよ。
でも、初めての恋は無惨にも遊ばれていた。
三つ年上だった彼は、大学に進学するにつれて遠距離になった途端、急に連絡が付かなくなった。
やっとの思いで電話が繋がったら、
『いい加減、遊ばれてたって気付けよ。
毎日、鬱陶しいんだよ!!』
って、怒鳴り口調で言われた。
今までの優しい彼はもうなかった…
親の愛情を知らず育ったあたしに、唯一優しく接してくれて、相手を大事に思う気持ちを教えてくれた。
なんでも話せて、いつも優しい笑顔で。
どんなときも優しくあたしを包み込んでくれた。
あれが全て、嘘だった…──
あたしの初恋は無惨にも粉々に散っていった。
だから、本気で恋なんて二度とするものかと心に固く決めていた。
男遊びに手を付け初めたのは、初恋の彼の気持ちが知りたかった…というバカな考えからだった…。