もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



拓叶の仕切りっぷりで、あっという間に無事に具体的な準備物等々が決まった。


去年は行きもしなかった文化祭…

一年は教室の展示物だったから、別にいいやって思ってたから。


でも、今年の文化祭はちょっと楽しそうかな?って思えてきたのも、このみんなのお陰かな?



『よし、じゃぁ帰るか!』という漣くんの声でみんな頷いて、一緒に門を出た。


外は暑くて暑くてたまらない…


当然のように、夏の午後5時は明るくてまだまだ青空が広がっている。


早く冬にならないかな…って思う季節。

冬にはどうせ、早く夏にならないかなって思うのに。



門の前で漣くんと円ちゃんと別れた後、拓叶の自転車の後ろに乗って下り坂を一気に下る。


もう、周りの目を気にしないように行きも帰りも一緒。



『水瀬に感謝だな』


「うん。
まさかこんなことになるなんて、思いもしなかったよ」


『水瀬はガキの頃から変わんねーよ』


「あ、ずっと一緒なの?」



そう言えば、すごく仲がいいなって思ってはいたけど、高校からなのかは知らなかった。



『小学校からずっと一緒』


「へー、そうなんだ」


『すげー、いい奴だよ』



そう笑う拓叶は嬉しそうで…


誰か一人でも、何があっても側に居てくれる友達っていいな…


男の友人って憧れる…


女子同士はどうしても、なかなか上手くいかない。

中学の頃に仲良かった子とか、一切連絡なんて取ってないもん。


今、どうしてるのかな?なんてことも思わない。


薄っぺらい友達関係をずっと続けてた。




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