もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
─拓叶 side─
今まで、自分が生活するためにバイトしてきたけど、今はその考えが変わった。
待ってくれている藍のために、ひたすら頑張って、ふとした瞬間に藍の笑った顔を思い出してバイトを頑張った。
午後11時、バイトが終わってすぐ帰る支度をして家まで歩く。
疲れた…としか思わなかった帰り道。
だけど今は、どうしようもなく笑が溢れた。
玄関のドアを少し開けるとカレーのいい匂いが漂っていた。
『ただいま』
「おかえり…」
ドアが開く音に気付き、すぐ駆けつけてくれた藍は俺を抱きしめた。
『あ、藍!?』
突然の思いもしなかった行動にびっくりした。
やばい…
「カレー作りながらね、ずっと拓叶のこと考えてた」
『ははっ、俺もバイトしながら藍のこと考えてた』
「恥ずかしい…」
『俺、今すげー幸せ感じてる…』
藍とずっとこうして居たい。
藍の居場所を保ちたい。
少しでも早く、藍のフラッシュバックが消えるように…
「あたし、拓叶が好き」
『知ってる』
「…ははっ、なんか自分じゃないみたい」
『バカ。
もっと、俺に甘えろよな?』
「…いいの?」
藍の頭を優しく撫でて、抱きしめ返す…
『当たり前だろ』
もっと、俺に甘えてこいよな。
その倍以上に、応えてやっから。