もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開




そのままいつものようにぎゅっと抱きしめられる。


耳元で名前を呼ばれる声がくすぐったい…



「たく…と」


『あ…い…』


「へ?」



耳元で聞こえる寝息…



「拓叶?」



名前を呼んでも返事はなく、きっと疲れてすぐ寝ちゃったのだろう…


ゆっくり拓叶の方を向いて、寝顔をみつめる…


ずっと、眠かったのかな?


今日一日、お疲れ様。

一緒に文化祭実行委員も頑張ろうね?


そう心の中で伝えて、そっと拓叶の唇に優しくキスをする。


寝顔にキス…しちゃった…


恥ずかしくてその勢いで、拓叶をぎゅっと抱きしめた。


好きな人の胸元で寝られるって、幸せだ。


拓叶の肌に直に触れて感じる体温…


いくら、身体にたくさん痣があろうが関係ない。

拓叶は拓叶なんだ。


人に痣を見せるってなかなか出来ない。

だけど、拓叶はあたしに見せてくれた。

誰にも触れさせたくないハズなのに。


怖かったよね…痛かったよね…


今まで隠してた痣を堂々と見せたってことは、あたしに心を開いてくれたって事だよね?


もう少し、拓叶のことを教えてよ…





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