もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
クラスの中心人物なんて、絡む機会もなければ少し足りとも近付けないって勝手に思っていたけど…
思えば、漣くんと拓叶は本当に今、自分の目の前に居て、触れられる近さにいる事がもう考えられないくらい不思議なことだ。
「ありえなかったのに…」
『藍?』
「いや、クラスの人気者二人と居ることが少し前のあたしには考えもしなかったなーって」
四人席のテーブルに、拓叶と漣くん、あたしと円ちゃんというペアで向かい合って座る。
目の前にいる拓叶の指先に少し触れる…
爽やかイケメン内山くん
少し前まで、そんなクラスの人気者の事なんて知りたいとも思わなかった。
同じクラスでも、別世界の人…という印象。
そのまま拓叶に指をぎゅっと握られて、気恥ずかしくなった…
『ちょっと、お二人さん。
見せつけてくれますなー!』
「いいなぁ…彼氏、羨ましい」
円ちゃんは目をキラキラさせてあたし達をみつめた。
乙女チックというものか…
「恥ずかしい…」
『俺はもっと周りに見せつけたいけど?』
目にかかる少し長い前髪を、首を振って流して真っ直ぐあたしを見る拓叶…
そんな真面目に言われても…困る。
『藍は俺だけ見てればそれでいい』
「ちょ…恥ずかしいって!!」
「私、言われてみたいかも…」
ポツリと本音を零した円ちゃん。
『川たんは、俺だけ見てればそれでいいよ』
「な、なんか違う!!」
それに真剣に面白可笑しく答えた漣くん。
その光景に、拓叶と二人で声を出して笑った。
『ははっ、俺恥ずかしすぎだろ!』
「ったく、カッコつけないでよね」
少女漫画か!!
でも拓叶は漫画に出てきそうなぐらいの爽やかイケメンだと思う。
笑った顔に少し見とれたのは秘密…。