もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開




洗い物を済ませて、ベッドに二人して横に並んで座る…


スーッと息を吐く音が聴こえた…



『どっから話そうかな…
じゃぁ、まずは…』



そう言うと拓叶は懐かしむように言葉を続けた…



『両親、初めは仲良かったよ。
だけど、次第にそれは二人の間だけになっていった…
母さんは他の男を家に連れ込んでは、俺を邪魔者扱いだ。』


「…」



一緒だ…あたしと。


自分の欲求を満たすために、子供を邪魔者扱いして…



『だけど、男は皆…子供がいるってバレた途端、すぐに家を出て行ったよ。』


「え…」


『子持ちが嫌なんだろ。
もちろん、母さんの苛立ちの矛先は俺だ。
殴る蹴る、身体で煙草の火を消されたり…
熱湯をかけられたり、熱いヘアアイロンで身体を何度も何度も叩かれたり…』



もう言葉が出なかった…

あたしの痣なんて…まだまだ優しい方だ。

拓叶の言った通り、もう痣もだいぶ目立たなくなってきた…

それに比べて拓叶の痣は一向に消えない…

背中とお腹にはあちこちに火傷の跡が残ってる…



『生まれて来なければ良かったのに。って…
望んで産んでなんかいない。ってさ。』


「そんな…」



そこまで言うと拓叶はあたしの肩に寄りかかってきた…


手…震えてる


その手をぎゅっと握りしめる…


大丈夫…大丈夫だからと。





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