もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



思い出すの怖いよね…

人に怖い恐怖を話すことって本当に難しいんだよ。



『俺の姉は望まれて産まれたからな。
二人目の俺は望まれてない。』


「お姉さんがいるの?」


『2歳上の姉がいたよ』



いた…過去形。

全然知らなかった拓叶の家族構成…



『姉は俺に向く虐待を庇い始めた途端、親は姉にも虐待をし始めた。
髪を引っ張られて、頬を叩かれて、顔の腫れが毎日続いた。』


「…」


『姉は最後には精神的におかしくなった。
笑うことも忘れれば、表情が無くなった。
そして、自分を包丁で刺して…自殺した…
“拓叶、守ってあげられなくてごめんね”って』



拓叶は次の瞬間、口を抑えてトイレに駆け込んだ…



「拓叶!?」



トイレの前で嘔吐する拓叶…

優しく背中をさすることしか出来ない…



『はぁ…はぁ…はぁ…っはぁ』


「拓叶…」


『もう…大丈夫だから』



洗面所で口をゆすいで、尚もフラフラな状態の拓叶を支えて、ベッドに連れて行った。





< 137 / 276 >

この作品をシェア

pagetop