もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
あと、一ヶ月後にはインターハイを控えているバスケ部。
三年生が引退したら、もう伊織の代に変わる。
そしたら、もっと忙しくなってしまう。
「もうそろそろ、少なくなるのかな…」
『ん?』
「伊織とこうして二人で帰るの」
毎日、一人での帰り道は寂しくて…
遊びで付き合っていた相手も、一緒に帰っていたわけじゃない。
『嬉しいよ。
そう思ってもらえて』
「ん?」
『最近ではインハイに向けて部活定休日がないし、なかなか藍と一緒に居られてないからな』
「気にしないで。
伊織はバスケ部に無くてはならない存在なんだから…でも、無理しないでよ?」
すると伊織の頬に当てた手の上に、そっと伊織の手が重なった…
『やべ…超恥ずかしい。
ありがと…』
「はは、じゃぁ行こっか」
そっと手を降ろすと、あたしの手をぎゅっと握った伊織。
ゴツゴツとして骨ばった大きな男の人の手。
『藍も、何かあったら言えよ?
すぐ駆け付けてぶっ倒すから』
「ははっ、なんでぶっ倒すなの?」
『あ、いや…えっと、あぁー!
もうほら、帰るぞ!』
強引に手を引っ張って歩く伊織。
ありがとね。
でも、もう心配かけたくないよ…