もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
『あれ?拓叶は?』
中庭テラスに来ると、漣くんと円ちゃんは不思議そうにあたしを見た。
事情を説明すると、漣くんは難しい顔をして口を開いた…
『あいつ、昔っから人付き合いが不器用なんだよ。』
「…」
『上辺だけの友達ってやつ?
誰とも深く関わらない性格でさ…』
「虐待の影響だよね…」
すると円ちゃんはびっくりした様子で大声を出しそうになったところを、すかさず漣くんが円ちゃんの口を塞いだ。
まだ、誰にも知られていないことだからだろう。
『しっ…
拓叶には身体のあちこちに酷い虐待の痣があるんだよ…』
円ちゃんの口から手を話すと、漣くんは小さな声でそう言った。
「そんな…」
『だからあいつ、体育とか着替えの時は絶対教室で着替えないんだよ…』
…そうだったんだ。
誰にも触れさせたくない過去。
『俺も初めて見た時はびっくりした。
あいつ、あんな爽やかに笑うことなんてありえなかったんだよ…』
「え…?」
漣くんはここでは話せないと踏んだのか、席を立って付いて来るように指示を出した。