もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
場所を校舎裏に移して、漣くんにより語られた、拓叶の中学校の頃のこと。
高校とは違って、爽やかな笑顔など一切見せなかったと。
クラスの誰とも関わらず、ずっと一人で行動をしていて、自分の身体を人に指一本でも触れられることを心底嫌っていたって。
触られた相手を殴って、怪我を負わせたこともしばしばあったらしい…
でも、小学校の頃は明るくて友達が多くて笑顔が溢れてたって。
『だから今のあいつは、まるで小学校の頃に戻ったみたいなんだよ…。
高校に入ってから何かを隠すように、爽やかな笑顔を作って男女共に慕われていた』
「確かに、内山くんは誰にでも優しくて笑顔な印象しかなかったよ…」
円ちゃんはどこか悲しそうな表情をした。
みんなが慕っていた拓叶は、拓叶が考えた結果作り上げた自分ということだ。
『それにもう、俺に弱音も吐かなくなったよ。』
「弱音?」
聞き返すと、漣くんは目を細めて空を見上げた…
青く青く澄み渡る広い空を…────