もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
>>内山拓叶という男。
あの日、あたしはクラスの爽やかイケメンこと、内山拓叶の裏の顔を知った。
次の日から、今まで気にもしていなかった内山くんのことを目で追うようになっていた。
授業中、先生が板書をするために後ろを向いた瞬間にスマホをちらっと見ていたり。
お昼休みになるとすぐ、女の子に連れていかれてしまったり…
短い休憩時間には楽しそうに男友達と話していたり…
内山くんを目で追っていると、あっという間に放課後になってしまった今日。
チャイムが鳴ると、すぐに伊織は同じバスケ部の関口くんに引っ張られて行った。
昨日…勝手に帰っちゃったからだろう…
「バイバイ、また明日!」なんて、声をかけてもらえる女友達がいないあたしは、いつも最後まで教室に残る。
今日は誰とも予定がない。
授業が終わってすぐの帰り道は人が多くて嫌だから、いつも時間をズラす。
黒板でも消そうかと席を立ち上がった瞬間
《ガラガラッ》
ドアが開く音にびっくりして振り返ると、そこには今日一日中目で追っていた内山拓叶が立っていて…
『やっぱり、一人か』
わ、声が低い…
みんなには決して見せない、内山くんの本性。
「なに?また忘れ物?」
『んー、どうかな』
…だったらなんでいるのよ!?
帰ればいいじゃん…