もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



…────────────


学校が終わり、21時まで気が気じゃないままバイトに励んだ。


新しいことばかりで、早く覚えなきゃいけないのに全然集中ができなかった…


それにお皿を割ってしまって、榛名先輩にすごく心配をかけてしまった。



『今日もお疲れ様。
さっき、切った指大丈夫?』



バイト終わり、榛名先輩はあたしの指を心配そうにみつめた…


絆創膏が赤くなってしまっている。



「さっきはすみませんでした!!」


『いいよ。
それより急ぎの用事、あるんじゃない?
バイト中、何度も何度も時計見てたでしょ』



うっ…

バレてた。


すると榛名先輩はにっこり笑って、背中を押してくれた。



『今日は西山さんがいないから、俺が戸締りする役。
だから、待たないで早く帰りな?』



バイト歴が長い榛名先輩はお店の戸締りをする担当を持っている。


だけど、先輩に任せて先に帰るのは気が引けて…



「でも…」


『俺は店内の戸締り確認して帰るから、ほら早く行きな?』


「…ありがとうございます」




榛名先輩の優しい笑顔に頷いて、深々と頭を下げてお店を出た。


苦手意識を持った先輩だったけど、やっぱり偏見だった…


3つ上の人が皆、悪い人ばかりじゃない。

たまたま…龍也くんが3つ上だっただけ。


思い出すな!!


もう、龍也くんに縛られちゃいけないの。


あたしが好きなのは…

大好きなのは拓叶なんだ。





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