もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



拓叶があたしにキスをすると、悲しそうに目を細めた…


え…───?



『不安にさせんなよ…』


「拓叶?」


『お前は、俺だけを見とけよ…』



その切なくて、悲しげな瞳に心を奪われる…



「ごめん…」



そう言葉を零すと、拓叶はあたしを抱きしめてくるっと回って上と下が逆転した。


あたしが拓叶の上に覆い被さって…


そのまま優しく抱きしめられた。



『わり。
ちょっと、意地悪し過ぎたかも。』


「もう…ばか。」


『ははっ、で?もう大丈夫か?』



耳元で優しく言われて、その言葉に安心する。



「うん。大丈夫。
拓叶が来てくれて良かった。」


『ったく。
すげー心配した。
だけど、心配かけてかけられてが付き合いだろ?』



拓叶…



「うん。ありがと」



心配かけてかけられて…か。


うん。


確かにそうだね。



拓叶が好き。


他の誰かなんて…もうない。





< 177 / 276 >

この作品をシェア

pagetop