もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
こんなにも、知りたいと思うのは拓叶だけでいい。
触れられる距離にずっと居たい。
「ね、拓叶の誕生日っていつ?
ずっと、聞けなくてさ…」
『8月20日』
「もうすぐじゃん!?」
サラッと言いましたけど!?
後、ほんの2週間ぐらいだな…
せっかくだから、なにかしてあげたい。
風船…
風船で部屋を埋めたい!!とまではさすがに無理だけど、ケーキだけじゃなくて他にも…
『まぁ、誕生日なんて毎年テキトーに過ごすだけだから。
てか、まず誕生日だったなんて気付くの夜とかだし』
そうクスクス笑う拓叶。
そんなこともうさせたくない…
「今年はなにかするから」
『別にいいのに?』
「だって…好きな人の誕生日だもん」
そこまで言うと拓叶が口を詰まらせた。
『待って。
素直に嬉しすぎて…やばい』
「ははっ」
『藍は?
藍の誕生日はいつ?』
「12月27日…」
小さい頃は毎年、近いクリスマスと一緒にされて本来の27日なんて平日同然だった。
小学校高学年になると、誕生日なんて祝われなくなって…
次の日にお母さんが「あれ?あんた昨日誕生日だったの?」って、カレンダーを見て言われる。
この長年ずっとそんな誕生日だった。
唯一、伊織だけが毎年祝ってくれてたな。