もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



誕生日なんて所詮、生まれたその日だけだ。


そういつしか考えるようになった。


その次の年になったから何?って。

ただ、一歳年を取るだけじゃんって。


誕生日の日に親に蹴られてぶつけた膝から血を流したあの日、もう誕生日が大嫌いになった。



『藍?』


「ごめん…あたし、誕生日に良い思い出なくてさ。」


『俺ら、一緒だな。
誕生日なんて所詮生まれた日ってだけだろ?
どうでもいい親はその日なんてその日キリだ。』



子供の頃、伊織が羨ましかった。

誕生日には親から誕生日プレゼントを貰って、ケーキを作ってもらって、クラッカーを鳴らしてお祝いしてもらったって。

それが普通の誕生日なんだ…って思った。



『でも、俺が祝ってやるから。
今までにないようにさ』



ニコッと微笑む拓叶。

誰かに祝われるって、きっと素敵なことなのかもしれない。



「ありがと」


『…ちゅっ』



頬にキスされる…


でも、あたしがしたいのはそこじゃない。


自分から恥ずかしさを閉じ込めて、拓叶の唇にキスをする…



『藍…』


「ふふっ」



すると拓叶はニヤリと笑った。


あ、これはまずい…







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