もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
『あーでもダメだ。
楽しみは夜がいいかな。』
「なっ、夜って!?」
『えー…ダメなの?』
「…考えとく。」
そんな顔しないでよ…
すると、拓叶は優しくあたしの頬にキスをするとそのまま抱き寄せた。
『ただ、ぎゅっとこうしてるだけでも幸せ』
「こんなあたしでも、誰かの幸せになれるんだ…」
思いも知らなかったこと。
人に嫌われて避けられて…
ずっとそうして生きていくのかな…って、心のどこかで思ってた。
外に出れば目に付くカップル。
でも、それぞれのカップルは必ずその相手しか考えられないんだろうな。
他にどんなにいい人を見ても、目移りしない人ってすごいな…って思う。
この人だけを、必ず幸せにする。
そう心に誓える相手って、あたしにできるのかなって…
『俺の心は藍でしか満たせねぇから。』
そのいつもより低い声が、心にぎゅっときて…
もう、幸せでいっぱいになる。
「この先もそうだといいな…」
『藍は?
藍にとっての俺はどういう存在?』
「ずっと傍で、触れられる距離に居たくて…
心の傷を癒してあげたくて、甘えてほしくて、もう拓叶が居てくれるだけでいい」
『ははっ、なんか照れる…』
はっと、気づいた頃にはもう遅かった。
拓叶を好きな気持ちが溢れて止められなくて。
でも、どこかでブレーキかけなきゃいけない。