もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



また、龍也くんの時のようになるのが嫌だ。


いつか振られてもいいように、心構えしなきゃ…



『難しい顔、やめろよ?』


「え?」


『俺はあいつじゃねーよ?
だから…どっぷり俺のことを好きになれよ?
心のブレーキかけなくていいから。』



沈んでいたあたしの顔を拓叶が両手で包み込んだ。



『お前が考えていることぐらい、わかんだよ…』



優しく笑って額をくっつけた拓叶…───


キレイに心を見抜かれた。


自分が傷付かないように、好きでいようと考えてた。


真実の愛なんて、ない。

そうまだ心のどこかで思っている自分がいる。



『俺がお前を好きな気持ちは、お前の想像以上だから。』


「…拓叶」


『だから、俺の傍から離れんな。
それに、お前の手を離すなんてありえないから』



その言葉に目頭が熱くなった。





< 189 / 276 >

この作品をシェア

pagetop