もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
見た瞬間、足が止まった。
だって、それは龍也くんだったから。
見間違えるはずない。
「…いや!!」
必死で榛名先輩に掴まれた腕を振り払おうと抵抗をする。
その声にパッと顔を上げて龍也くんが近づいて来た時にはもう、足はガクガク震えてその場に座り込んでしまった。
だんだん息が上がる…
苦しい…
怖い…
『藍…』
「やだ…名前…呼ばないで!!」
耳を塞いでぎゅっと目を閉じる…
聞こえない…聞こえない…聞こえない…
やっぱり、榛名先輩は龍也くんと繋がってたんだ…
『藍…ごめん…ごめん!!』
あたしの頬に手を添えた龍也くん…
その声は、あたしが好きだった龍也くんの声そのもので…
泣きそうな顔で謝り続ける龍也くんを見て、自然と耳から手を離していた。
なん…で?
なんでそんな顔するの?