もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
episode 1.
いつからだろうか、この様な噂が学校中に広がったのは。
「杉崎さんに告白すると100%OKもらえるらしいよ」
「杉崎さんって誰の女にもなるんだって」
「杉崎さんって…」
という数々の噂。
今日も放課後、あたしは一人の男に誘われている。
『やっと、誰も居なくなったね』
「うん」
誰も居なくなった静かな教室…
そっとあたしの頬に手を伸ばす遠藤くん。
そして、ゆっくり唇を押し付けられ、ネクタイを外され、ブラウスのボタンを一つひとつ外される…
「っん…」
これももう、だいぶ慣れた…。
これも、龍也くんを忘れるためなんだよ?
今でも龍也くんとの思い出が頭を過るだけで、吐き気がするほどだ。
《ガラガラッ》
その音にビックリしてあたしから離れた遠藤くん。
『遠藤くん、杉崎さんに何してるの?』
『ッチ』
遠藤くんは舌打ちをして鞄を持って、教室のドア前にいる彼の肩にわざとぶつけて、教室から出ていってしまった。
その姿をゆっくり目で追って、ボーッとしていると
『ねぇボタン、閉めないの?』
「あ…うん。ごめん」
見られるのにも慣れたせいか、慌てずにボタンを一つひとつ丁寧に閉める。