もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



その表情があまりにも温かくて…



『よかった…
もう、傷が増えたりしなくて』


「…うん」


『彼にも悪いことしたね…。
悪役って、やっぱり俺には難しいや』


「でも、騙されたよ?あたし。
本当にビックリした。」



どっちが本当の龍也くんなんだろうって…


あの心優しくて、子供たちに絵本を読み聞かせるあの男の人は偽物?って。


でも、あれが本当の龍也くんなんだって知って今はものすごくホッとしてる。



『喜んでいいのか悪いのか…』


「ふふっ」


『藍は今…幸せ?』



龍也くんはまっすぐ、真剣な目であたしをみつめる。


ずっと、優しい龍也くんが大好きだった。

この先も、龍也くん以外に恋なんてありえないって思っていたこの約二年の間。


だけど…その気持ちを変えてくれたのが拓叶だった。

あたしと同じような…いや、それよりももっと辛い環境にいた拓叶。

そんな拓叶を知れば知るほど、傍に居たいと強く願うようになった。



「幸せだよ。」


『…それが聞けてよかったよ。』


「龍也くんは?」



目を細めた龍也くんの目…





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