もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



ずっと、好きでした。


告白されて、付き合った日はものすごく幸せだったよ。


龍也くんのおかげで、外の世界をたくさん知ることが出来たんだよ。

狭い狭い家の中に居たあたしを、外へ連れ出してくれた龍也くんは、もうそれは王子様そのものだった。


初めて龍也くんの部屋にお邪魔して…

互いを求めあって…

一つになれた時は、もう何もいらないとも思えた。


こんなにも人を好きになれるんだって…本気で思ってた。


これから先も、ずっとずっと隣に龍也くんが居てくれれば、どれだけ幸せだろうかと。


だから…他の誰かでもいい。



「幸せになって…」


『藍…』


「龍也くんに出会えて、世界が変わった」


『…俺は何もしてないよ』


「うぅん。
龍也くんが居なければ、あのまま家の中で虐待に負けてたかもしれない。」



ひたすら虐待という恐怖に怯えていた気がする。


そんなあたしを龍也くんは助けてくれたんだよ。



「龍也くん、ありがとう」


『…俺は』


「自分を責めないでよ。
あたし達…もうたくさん苦しんだでしょ?」


『…』


「大丈夫だよ」



龍也くんの手をぎゅっと握る。


大丈夫…大丈夫。


龍也くんはもう苦しまなくていい。







< 205 / 276 >

この作品をシェア

pagetop