もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
誕生日デートプランなんて、本当に思いつかなくてあたふたしていた時に、漣くんがLINEをくれたんだ。
もし良かったら、拓叶の誕生日にお祭り行かない?と。
話によると、拓叶はお祭りに行ったことがないと、漣くんが言っていた。
人混みが苦手で、クラスの子に誘われても毎年断っていたって…。
だけど、藍ちゃんが隣にいたら絶対行くなー!って思ってと。
もうそこまで言われたら行く以外の選択肢はない。
「ならいいんだけどね?
でも、大丈夫!!
二人きりの時間も作るから!」
「へ!?
いや、ずっと四人で回ろうよ!?」
「うぅん。
せっかくの初めての夏祭りでしょ?
手を繋いで、二人で同じもの食べて、空に上がる打ち上げ花火を見て…」
「あーーーー!!
もうダメ…恥ずかしい」
円ちゃんの乙女チックワールド全開にこっちまでもが恥ずかしい…!!
でも、そっか…
付き合った今、何もかも全てが初めての思い出になるんだよね。
「なら、飛びっきり可愛くおめかししなくちゃねー?
着付け、ヘアセット、ヘアメイク全てこの私に任せなさい!」
後ろから両肩をポンッと叩かれた。
円ちゃんのお母さんは、円ちゃんみたくおっとりではなく、どちらかというと派手系な茶髪のキレイなお母さんだ。
「あ、ありがとうございます!」
「ふふ、じゃぁ始めるわよ!」
…いいな
こんなお母さん。
一緒に買い物に行ったり、料理をしたり、時には恋バナをしたりするんだろうなぁ…
あたしにはそんな記憶…ないや。