もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



あたし達の前を歩き出す二人の後ろを追いかけようと一歩を踏み出した途端…


拓叶に手をぎゅっと繋がれて足を止める。



『迷子になったら…困るだろ』


「ははっ、確かにそれは困るね」


『俺らも行こっか』


「うん!」



今日の拓叶…可愛い。


でも、何故かちっとも目が合わないというか逸らされる…


横から拓叶を見るけれど、ずっとソワソワしていてなかなかこっちを見てくれない。



『浴衣…すげー似合ってるよ』


「ありがと…
でも、白にピンクのお花柄って…子供っぽくない?」


『ふっ、でも藍に似合ってるから大丈夫。
ほんと…マジで見れない。』



一瞬、チラッとあたしを見てすぐに目を逸らす拓叶。


恥ずかしそうに首に手を回して俯く…


か、可愛い…



「拓叶も甚平似合ってるよ!
…私服かと思った。」


『水瀬が私服はありえないって言うから…
この前、買った』


「そうだったんだ?
でも…二人で浴衣着てデートって嬉しい。」


『…俺も』



また一瞬合う目…


頑張って目を逸らせじまいとみつめ合う…



『「ははっ」』



お互い同時にギブアップして声を出して笑う。


うん。


やっぱり、隣は拓叶がいい。






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