もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



屋台をゆっくり見て回ることも出来ず、20分が経った…


LINEも連絡付かないし…



『藍…ちょっと、休も…』



その声で隣を見ると拓叶は頭を抑えていた…


人混みが苦手…漣くんが言ってた言葉を忘れていた。



「ごめん!
あ、あそこにベンチあるからもうちょっと頑張って…」



拓叶を支えながら人混みを抜けてベンチに腰を下ろす。


拓叶…辛そう。



『ごめん、ちょっと人に酔った…』


「水、買ってこようか?」


『うぅん。大丈夫…
藍まで居なくなるのは…嫌だ』



フラフラになりながら掴まれた腕…


その手から身体の熱さが伝わる…───



「汗…すごい」



ハンカチを取り出して、拓叶の隣に座って額の汗を拭う。



『クラクラするし…
視界がぼやける…』


「やっぱり水買ってくるよ!」


『でも…』


「大丈夫。
ちょっと待ってて!
早く戻ってくるから」



拓叶の頬に手を添えて、もう一度「大丈夫」と言うと、拓叶はあたしの手を離した。


拓叶を一人残して、自動販売機を探す…


待ってて…





< 212 / 276 >

この作品をシェア

pagetop