もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
次々から溢れ出す涙…
『誕生日ケーキなんて用意されたの…初めてでさ』
「えっ…」
『望まれて産まれた姉ちゃんにだけ、毎年誕生日ケーキがあった。』
「…」
『俺の誕生日は毎年、普通の平日だったよ。』
…そんな。
誕生日すら一度も祝ってもらえないなんて。
酷すぎるよ。
「拓叶…」
『なんでお前まで泣いてんだよ?』
自分の涙を拭うと、拓叶はあたしの頬に手を添えた。
拓叶に出会って、涙腺がかなり緩んだと最近思う…
自分はまだ、世間に比べたら甘えた環境にいた方だったんだと。
『ばか…。
でも、嬉しい』
「…ひくっ」
『もう、ほら泣きやめって?』
笑いながら拓叶はあたしの涙を拭ってくれた。
毎年…祝うから。
拓叶の誕生日。