もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



《ガラガラガラ…》



ドアの方に目を向けると漣くんが教室内を見渡した。



『あれ?
もう…仲直りしてんじゃんか』



「あ、漣くん!円ちゃん、ありがと!」


『いいよいいよ!』



漣くんは嬉しそうに笑って、拓叶の肩に手を回した。


…よかった。


漣くんがあたし達に変わるきっかけをくれたチャンス…


やっと、良い方向に向いたよ。



「藍ちゃん、良かったね!」


「うん…漣くんに感謝だよ」



円ちゃんが嬉しそうに、あたしの手を取る。


みんなが、協力してくれている…


それだけでものすごく嬉しい。



「ねぇ、どの味が一番人気か集計もしたいよね!」


「あ、それ面白そう!」


『シロップ全種かけとかも入れようぜ!』


「ははっ、なにそれ〜!」



クラスから飛び交う楽しそうな声。


きっと、拓叶と漣くん達と絡んでいなかったら教室の隅で一人、ぼーっと外を眺めていたのかな。


あたしには関係ない…ってなってたかも。



「ねぇ、下書き大体こんな感じかな?」



川北さんは白い紙に立て看板の下書きを描いて見せてくれた。


クラスと屋台名とかき氷の絵がちゃんと入っていて、何よりもかき氷の文字が凝られていて…



「すごく…良いです」


「ははっ、なんで杉崎さん敬語なの?
タメ口でいいよ?」


「うん…」



川北さんの笑顔が優しくて…


あたしも…

もっと笑わなきゃ。


大丈夫…怖くない。





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