もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



─拓叶 side─


学祭準備中、離れた距離から楽しそうに笑う藍を見て、やっと教室に藍の居場所が出来た気がした。


なんとかポスターも仕上がりそうだし…


そんな何気ないバイトの帰り道、今日はバイト中ずっと機嫌がよかった。


好きな人が笑ってる。

それだけで自分までもが笑顔になれる。


22時過ぎ、家までの暗く静かな道を歩く…


遠くから聴こえるヒールの音が響く…

静かなこの道は、音がよく響いて聞こえる。


ゆっくり、夜空に目を向けると空高くに三日月が見えた。


もうそろそろ、秋か…────



「拓叶…?」


『え?』



目の前でヒールの音がコツンッと止まった。






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