もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



病室に戻り、ベッドの上に肩を並べて座る…



『バイトの帰り道、母さんに偶然会ったんだ。』


「…お母さんに?」


『まだ生きてたのねって言われたよ』


「そんなっ…」



実の息子と久しぶりに言葉を交わすのに?


そんなの酷すぎる…



『もう二度と顔を見せないでって。』


「っ…」


『たくさん、苦しみなさい。
あなたは幸せになってはいけないのって、そう最後に言われたよ。』


震える拓叶の手をぎゅっと握る…

お母さんに突き放された言葉…


心のどこかで拓叶は、お母さんに優しく抱きしめられたかったのかもしれない。


優しい言葉をかけてほしかったに違いない。



『その瞬間、手足が震えて息が乱れて…』


「拓叶…もう話さなくていいよ?
ほら、休んで?」



今の拓叶は見ていられない…





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