もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



なんでよ……


どうしてあたしはいつもいつも、泣くことしかできないの?


泣いても何も変わらないのに…


同情なんて拓叶は嬉しくないのに…!!



『また泣いてる…』


「拓叶を楽にしたいのに…
苦しむことないのに…」



拓叶があたしの頬に手を添えて、溢れ出す涙を拭う…



『俺は藍を救えた…それだけでいいんだよ』


「拓叶…」


『藍の幸せは、俺の幸せ。』


「ひくっ…ひくっ…拓叶が苦しむなら…あたしも一緒に苦しむ…から」


『ほんと…お前ってばかだよな。』



クスクス笑う拓叶…


何も笑うようなこと言ってないし…



『苦しむのは俺一人でいい。
ただ、藍が隣で笑ってくれるだけで…
それだけで俺は幸せなんだよ』



ゆっくり身体を起こして、拓叶はあたしを胸元へと抱き寄せた。



「かっこつけないでよ…ばか!!」



拓叶をぎゅっと抱きしめる。


ばか…ばか!!



『…心配かけたな。』



そう、頭を優しく撫でられる…



「うぅ…」


『あぁもう、泣くなって?な?』



拓叶の優しい声に涙がまた溢れる…


なんで、拓叶はこんなにも優しいのだろうか。


いつもあたしの心を満たしてくれる…


あたしも、拓叶の心を満たせる存在になれるかな?




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