もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



『今日、水瀬のやつ川谷に告るんだってさ』



そう耳とで拓叶が呟いた。



「え!?」


『ははっ、結果楽しみだよな!』


「へー…衝撃過ぎて言葉が…」


『よし、俺たちも回ろうぜ!』



ぎゅっと手をもう一度強く握られ、拓叶と賑わっている模擬店を歩いていくと、至る所から美味しそうな匂いが漂う。

思えば、今年が学祭…初めてだもんね。



『何が食べたい?』


「んー、たこ焼き…かなぁ?」


『りょーかい!』



拓叶はあたしの手を引っ張り、たこ焼きの模擬店まであっという間に連れて行ってくれた。


そして、手に置かれたたこ焼きのパック。



「あ、ありがと…」


『いいから、丁度あのベンチ空いてる』



少し離れたベンチを指さして、拓叶はあたしの手を引いた。


拓叶のお母さんが現れたあの日の後、拓叶は急に明るくなった。


きっと、あたしを心配させない為だと思う。


それで…本当にいいのだろうか?




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