もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開


拓叶の腰に手を回して、ぎゅっと抱きしめると、拓叶も同じぐらいの力であたしを抱きしめてくれた。



「ねぇ、守り事…作ろうよ」


『守り事?』



ぎゅっと抱きしめる手を緩め、あたしの顔を不思議そうにみつめる拓叶。



「例えば…、何か悲しいことがあったらなんでも話すとか、こんなこと言ったら…とか考えないでさ!そしたら、一人で抱え込むことないでしょ?」


『藍…』


「前にも言ったでしょ?
辛さや悲しみや喜び…全部半分個がいいって」


『…あぁ』



目に薄らと涙を浮かべる拓叶…

その目尻の涙にそっと指先で触れる…

指先に伝う温かい涙。



「だから、悲しい時は言ってよ?
無理に笑ったりしなくていいからさ…
そりゃ、初めは難しいかもだけど」


『…心配かけてごめんな。俺…』


「ばーか!
心配掛け合って支えていくのがカップルじゃないの」



< 247 / 276 >

この作品をシェア

pagetop