もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
二人して賑やかな屋台通りに戻ると、ちょうど店番交代の時間だった。
川北さんと伊織は交代最後のお客さんにかき氷を渡した後、疲れたと言わんばかりの表情をしてあたし達に気付いた。
「やっと交代かぁ」
川北さんには本当に助けてもらったな…
また、改めてお礼を言わなきゃだね。
『藍、文化祭どう?』
「伊織…
楽しいよ?まだ、あまり回れてないけどさ」
『そっか…。あ、あのさ…』
少し暗い表情を一瞬浮かべた伊織。
「どうかした?」
『…いや。なんでもない…
学祭、楽しめよ。』
そう言って、その場から逃げるように伊織は早足に屋台から飛び出した。
伊織の表情からして、何か重たい…暗い話があるのだろうと察しがつく。
…何だか嫌な胸騒ぎがする。