もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
ー拓叶 sideー
震える杉崎を連れ出した高松を目で追った…
俺のせい…か。
ちょっと、煽ったバツか…
「高松くんって、ほんといつも杉崎さんといるよね」
「あの子なんてほっとけばいいのにね」
「男遊びしてる女ってサイテー」
《ガコンッ…────》
目の前の椅子を思いっ切り蹴った…
『愚痴愚痴煩いよ?
それ以上言うと…分かるよね?』
声を発した女の子をギロっと睨む。
「ひぃ…」
「ごめんなさい、そんなつもりじゃなかった…」
『ん。分かればいいよ』
そうにっこり微笑んで椅子を元に戻して、教室を後にした…
そんなつもりじゃなかった…
高松を煽ってみようって考えたけど、本当は俺が杉崎と話せばちょっとは周りが杉崎のことを見直すかな…って
そんな甘い考えだった…。
『…クソ』
渡り廊下を過ぎると、校舎裏から声が聴こえた…
「ひくっ…ひくっ…」
『藍…』
杉崎が…泣いてる────。
俺のせいで…
俺の悪巧みが生んだこの結果…