もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



拓叶の背中にある煙草の焼き跡…


自分の子供にそんな酷いことをしても尚、親は身勝手な言葉を言い放つ。


そして、その言葉は一生身体の傷跡と同じように心に残ってしまう。


拓叶はやっぱり、背中の傷に指が触れると、嫌がってしまう。


恐る恐る、拓叶の背中の傷跡に触れると、目を逸らされた。


でも、拓叶も恐る恐るあたしのお腹の痣に触れてきた…



「似たもの同士だね」


『…確かにな』



拓叶の背中の焼き跡はまだ、ハッキリ残ってる。


それにまだ、煙草を何度も見ると体調が悪くなってしまう。


火が怖い拓叶は、ガスコンロではなくIHを使う。


トラウマって本当に恐ろしい。



『俺、藍の事傷付けたりしないから…』


「うん。
あたしも拓叶のこと傷付けたりしない…」



ゆっくりみつめ合って互いにそっと唇を重ねる…


互いの傷を舐め合うように…






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