もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
お・ま・け♡
「ゆいちゃんも、りょうたくんも元気そうで何よりだったね!」
『あぁ』
「ゆいちゃんも、給食食べれて嬉しいって話してくれたし」
今日は、今年最後の大晦日ということで、久しぶりに西山さんに誘われて、子ども食堂に足を運んできた。
ゆいちゃんには、“あーちゃん”って、ニコニコしながら言って抱きついてこられたり、りょうたくんにはラブラブしてるってからかわれたり。
『ちょっとずつ、親が変わってくれるのを待つしか出来なかったけど…変わってくれて良かったな』
夜の街灯に照らされた拓叶の横顔はとても穏やかに見えた。
あたし達にはもう、関係の無い“親”という言葉。
だからこそ、周りの子達には自分のような辛くて悲しい思いをしてもらいたくない。
隣の拓叶の手をぎゅっと握る。
『藍?』
「ふふっ、ねぇ、早く帰ってテレビ見ようよ!」
『ははっ、そうだな』
拓叶は笑って、あたしの手をぎゅっと握り返すと、そのままポケットに入れた。