もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
杉崎の気持ちを傷つけた。
ただ、みんなの杉崎の印象を変えたかった…
変えてやれば、ちょっとは生きやすくなるだろうって。
『…ごめん』
どうしようもできないこの気持ち。
好きな女、一人ですら守れなくて
悔しい気持ちでいっぱいになる。
杉崎を初めて見たのは、入学式当日だった…
桜の木を一人で楽しそうにニコニコしながら笑って見ていた。
その笑顔がとても柔らかくて、見ているこっちも楽しくなったんだ。
完全に俺の一目惚れ…
残念ながら別のクラスでなかなか会えなくて…
名前を知るのも苦労したんだ。
だけど、俺が名前を知ったあの日耳を疑うような言葉が耳に入った。
『杉崎って女はマジやばい』
『誰の男にもなるってよ』
『2組の上佐賀、罰ゲームをかねて適当にコクってOKもらったらしいぜ』
『マジかよ!俺もやってみようかな!』
あの子が?
なにかの間違いじゃないのか?って
信じたくなかった…
でも、もしそうなら…って考えただけで一歩引いてしまう自分がいた。
そこから杉崎は完全にクラスに孤立していた。
俺が助けられれば…と、何度思っただろうか。
なのに、今の現状はなんだ?
『クソっ…クソが』
思いっ切り、壁を殴った…
血が出ようが関係ない。
あいつの気持ちの方が何倍も痛い。
ごめん…杉崎
ー拓叶 side endー